五感情報テクノロジー

対面で気軽に話せた時代からパンデミックになって、無接触を可能とする音声認識のニーズ、雑談への渇望、スクリーンを見続けることの疲弊などからボイステクノロジーがここにきて一気に立ち上がった。

要素技術が進化するに従って、ヒューマン・マシーン・インターフェース(HMI)はヘッドアップディスプレイ、センサーを使ったジェスチャーコントロールなどどんどん多様化してきている。バイオとテクノロジーの融合からも、人間の身体とテクノロジーの結びつきはこれまで以上に強くなってきている。

テクノロジーと五感情報の関連性で言うと、視覚・聴覚に紐付いたソリューションのニーズは高く実際に多くのアプリケーションが活用されている。次にくるソリューション分野として私が注目している分野が嗅覚関連のソリューションだ。

* 触覚関連はハプティクステクノロジーとしていろいろ出てきている。
* 味覚のテクノロジーへの転化はまだそうとう難しそうなのでこれは保留。

五感情報とIT
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五感(視覚・聴覚・触覚・味覚・嗅覚)をITシステムに取り込むには、① センシングした五感に関連した情報を符号化  ② 符号化された情報をITの経路より伝達 ③ 再現デバイスが符号化された情報を再現、という3つのステップをたどる。

視覚・聴覚に比べて、触覚・嗅覚のセンシング/再現デバイスの開発はまだまだ遅れている。それにあたっては脳内プロセスの更なる解明が必要なのだけれど、それもまだまだこれからで、そこが今後の嗅覚テクノロジーのブレークスルーの鍵となる。

嗅覚テクノロジー
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嗅覚情報の特徴(現在の懸念事項)として、人間の深層部分に関わっているので体の調子やムードに支配されやすい、呼吸によって匂いの認識が変わってしまう、などがあげられる。

今現在のITへの応用例としては、電子的に匂い情報を記録した匂いセンサーがある。全体的にはまだ人間の嗅覚の機能レベルまで達してはないが、一部の限られた匂いの判別では効果を発揮し出している模様。

これまで嗅覚テクノロジーに挑戦するスタートアップが現れては消え、現れては消え、が繰り返されてきたのだが、それを追求するイスラエルの最新スタートアップを発見。
Moodify https://www.moodify.today/
悪臭を中和する匂い、覚醒を促すような匂い、反対にリラックスできる匂い、の3つ匂いを適切な場面で発生できるとしている。部屋で楽しむ単なるアロマセラピーの域を超えて、様々な局面で匂いによって人間の行動やコンディションを効果的に改善できる可能性を探っている模様(ちなみにここに投資しているのがToyota AI Ventures)。

ウィズ/アフターコロナで、オンラインとオフラインが益々混在していくなか、嗅覚テクノロジーが果たす役割も大きく変わっていく気がとてもしている。

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