2021年11月上旬時点でのメタバースに関する所感

Facebookが社運をかけてメタバース分野に勝負に打って出た2021年11月、Microsoft も同社コミュニケーションツールTeamsでの参戦を表明。この新規分野での戦いの火蓋が切られた。

まだまだ未知数な部分が多いメタバースに対する現時点での見解はさまざまで、リアル社会が全てバーチャルに置き換わり生身の人間同士のやりとりが隅に押しやられるディストピアを危惧するような、否定的な意見も散見される。

だがここ10年ほど、社会のデジタル化は進み、BPM (Business Process Management)や決済などの分野を筆頭として、我々の生活は格段に効率化した。そしてコロナのパンデミックがそれを更に加速化したことに異論はないのではないか。

リアルとバーチャルが補完関係にあり、特にバーチャルの仕組みがリアルのクオリティ・オブ・ライフ(QoL)を押し上げることにどんどんなっていくのだろう。

ただ、メタバースがその役割をリードしていくには、いくつかの条件があると思う。

1:バーチャル(メタバース生態系)とリアル生態系のつながりがシームレスであること
バーチャル側に接触する時にゴーグルなどのガジェットを装着する必要がなかったり、アバターの操作が煩雑でないこと。メタバースのUXが社会のインフラとして当たり前にそこに存在しているようなあり方が望ましいのではないか。ただこれはメタバース事業の成熟や技術の進化に従っておいおい整備されるものだとは思う。

2:個別企業のプラットフォームに頼らないこと
Facebook/Microsoftの他にも, Apple, Google, Samsungあたりもこの分野に参入する可能性は高いと思うが、メタバースの可能性・スケールを考えると、到底個別の一企業がマネージできる規模の話ではないし、社会のインフラとして活性化していくにはブロックチェーンを活用したオープンで分散化された仕組み作りが基盤であるべきだろう。

メタバース元年と言っていい2021年、その技術成熟度もまだまだこれからといったところで、それに関する技術の進化に伴って、人々の認知度・許容度も進んでいくのだと思う。

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