グローバリゼーションのゆくえ ③

このシリーズの最終回は、Web3を基軸とした新しい社会インフラ=前回書いたタンジブルなグローバル経済と対をなすインタンジブルな経済システムについて。

前回触れた通りタンジブルなグローバル経済において、政治・国家を意識せざるを得ない状況が続く一方で、Web3としてサイバースペース主体の新しい社会のインフラが顕れつつある。当然ながら、このインフラでは国の枠組みを軽々と超えたボーダーレスなやりとりが可能だ。

今は黎明期にあるWeb3が本格的に立ち上がると、それからの流れは一気に加速すると思われ、その時にそれぞれの国の当局はどう対応していくだろう? Web3の仕組みは、そこに存在する個人や企業、政府などそれぞれが協調しつつ自由かつ抑止のきいた、自律性の高いエコシステムになる可能性があるだろうか? それぞれの参加ノードが気持ちよく活動できるルールが自然と生まれてくるだろうか?

Web3では日本がリードできる可能性がある、という話をよく耳にするが、その可能性はどうだろう? 結局のところWeb2まではアメリカ勢が席巻していたけれどWeb3でもアメリカが主権をにぎるのだろうか? 

習政権のもとその力をもぎ取られあっというまにパワーダウンした中国の民間IT業界だが、その陰で着々と力を蓄えていると思われる若い中国の技術者・起業家から、また世界を席巻する新しい何かが生まれるのだろうか? 

あるいは、Web3の世界では国や特定の企業に囚われないフルイド(流体)型のレイヤーが生まれるので、そもそもそういう国ごとで競い合うような概念そのものが意味をなさないだろうか?

自然災害リスクと政治コンフリクトがこれまでになく高まっている今、サイバー上での安全でスピーディな経済や文化活動がますます重要になってくることは間違いない。ボーダーレスで自律性の高い、真の民主的なWeb3の仕組みができることに期待したい。

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